階段をこだわる
今回は階段の種類についてです。
階段は部屋の間取りに合わせて形を変えることが多いので、配置やデザインを気にすることはあっても形状を気にすることはあまりないかと思います。
しかしせっかくなので、ハウスメーカー社員らしく階段の豆知識などを披露させていただきます。
階段のデザインはざっくり分けて2種類。
箱型とオープン型。
箱型というのは、我が家がそうですが、踏み板の奥は見えなくなっているタイプの階段です。
階段の奥や下の空間がもったいないので、通常は物入れなどに使用しますね。
我が家の場合は階段下がトイレになっています。
オープン型(HMによってはシースルーなど他の呼び方をしていますが)は踏み板と手すりなどの最小の建材で構成された階段です。
写真は築40年の夫実家の階段です。
最近の流行りとはデザインがまったく違いますが、構成はほぼ同じ。
昔も今も、家の造りはあまり変わっていないということが見てわかります。
ご覧の通り、圧迫感が少なく階段下の空間を無駄なく使うことが可能です。
階段の形は大きく大きく分けて4種類くらい。
実はもっともっと細かくなるのですが、細かい部分は好みの問題なので、ざっくり分けさせていただきました。
こんな感じです。螺旋階段、手抜きですみません。
我が家はU字階段、私の実家はL字階段、夫の実家は直階段です。
それぞれのメリットデメリット。
直階段は極小住宅など、階段のスペースを節約したいお家に適しています。
画像を見ていただければ早いですが、直階段の場合は3マス必要です。
U字L字は4マス、つまり差が0,5畳出ます。
0,5畳あれば、大人一人座るだけのスペースがあるので、馬鹿にできません。
デメリットは間取りがうまく取りにくいこと。
直線ですが、階段の始まりから終わりの場所まで約180センチほどありますので、どうしてもどちらかが家の縦か横の中央にかかってきてしまうことが多いです。
もちろん、良い間取りが取れるのならば長所になります。
もうひとつデメリットは、直線のため2階から落ちると最後まで落ちきってしまう、という点。
L字やU字などであれば踊り場でひっかかったり距離が短くなります。
夫の実家は直階段ですが、小さいころに夫が階段から転げ落ちて両親があわてたとか。
小さい子供がいると、ゲートを設けていても安心はできませんよね。
U字階段・L字階段はひとくくりで。
家の隅に寄せることができるので、間取りが取りやすい。
そして先ほど述べたように、転落の際のリスクが若干減ることです。
デメリットをあげるとすれば、最も一般的で個性が出ないことでしょうか。
螺旋階段は個性的であることが最大のメリット。
しかし値段が他に比べて非常に高くなるので(100万円前後)、夫は一度も携わったことがないそうです。
階段のカスタマイズについて
素朴な疑問なんですが、うち、天井の高さが20センチ高いよね。階段一段分てことになるでしょ?
そうだね
その場合、階段はどっちに突き出すの?一階?二階?
施主から特に注文がなければ、カーブ部分で調節するよ。曲がり角はショートケーキみたいな三角になってるでしょ、そこの部分が多くなる
おお、意外な回答。まぁ、昇り降りには不便に感じたことはないけど
今は基準があるからね。狭すぎたり急すぎたりはできないよ
へー
現在の階段は、建築基準法施行令で決められた寸法を遵守するように作られますので、昔の家にあったような急勾配の階段はなくなりました。
その寸法というのは、一般の住宅では階段一段の高さ(蹴上)が20センチ以下、奥行き(踏面)は24センチ以上、となっています。
つまり天井の高さを上げるオプションの200mmというのは階段一段分。
階段の奥行きは女性のMサイズの足がすっぽり収まるくらいの幅ということになります。
じゃあさ、階段の高さとか変えられるの?
もちろん、基準を満たしてればできるよ。一段を低くしたり、横幅を広くしたりとか
できるんだ。知らなかったな。やる人いるの?
わりといるよ。最終的には一段分くらい変わってくるかな
さっきの質問と同じになるけど、その余った一段はどうなるの?狭かったり低かったりが嫌だから変更するんでしょ。スペースから出るじゃん
それは施主さんに聞くよ。一階と二階とどっちにずらしますか~って。だけど間取りのことがあるから、自然と決まってくるけど
へぇー。意外にも奥が深いね、階段
そうだね。床板の変更とかもできるし、特徴出そうとすればけっこう変わるよ(有料
私には建築当時、そんなに細かい知識がなかったため、ほぼ型通りの階段になっています。
選んだのは蹴り込み板という、正面から見る部分を床の素材かクロスにするかという部分のみ。
ちょっとかわいい感じにしたかったので、白のクロス(横の壁と同じ)にしました。
他の部分は夫が勝手に全部決めていました。
特に不満はありません。
さて、いつもの倍の量の記事になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。